山田邦雄 ロート製薬 代表取締役会長

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目薬で有名になったロート製薬は代々創業家一族が経営を担っていますが、そのトップにいるのが会長を務め、先日まで社長を兼務していた山田邦雄さんです。

1956年1月23日生まれ、現在63歳の山田邦雄さんは、大阪府の出身です。

1899年から続くロート製薬創業家出身であり、父親は先代社長である山田安邦氏。しかし、父親から後継ぎに関する話をされず、むしろ2代目社長である祖父の影響を強く受け、人と違うことをやれという精神を受け継ぐことに。

1980年にロート製薬に入社すると、10年間は現場で経験を積む毎日を過ごします。その一方、目薬や胃薬中心だったロート製薬からの転換を図らなければならないと考えるようになります。

1991年、35歳の若さで取締役、翌年には専務、1996年には副社長、そして創業100年を迎えた1999年、ついに4代目社長に就任。最初に行ったのは健康食品に関する通販事業で、その次が化粧品事業への参入でした。元々メンソレータムを買収したことで皮膚に関する研究を行っており、製薬会社独自の化粧品が作れるのではないかという邦雄さんの判断でした。

きれいな肌は健康な肌である、今までになかったアプローチ方法で化粧品を考え、当初は迷走しますが、現在もヒット商品として君臨する肌研シリーズにつながります。肌研シリーズ発売の少し前には、テレビでなじみ深かったロゴマークを大胆に変更するほか、ニキビ治療薬のブランドである「OXY」の商標権などを買収、2006年には漢方薬の発売を行い、その売り上げは当初引き継いだ際は500億円だったものが1670億円までに膨れ上がり、売り上げを3倍以上に押し上げました。

日本初、世界初の商品開発を多く行い、目薬や美容液などの開発を続けていく中、山田邦雄社長は創業100年以上を誇るロート製薬で初めての判断を下します。それが創業家以外の人に社長になってもらうことです。

2009年には会長に退き、社長に実権を握らせて、見守っていました。その後も順調に成長を続けていたロート製薬でしたが、社長が急逝。一時的ながら山田邦雄会長は社長を兼務し、2019年6月まで続けます。

急逝した社長の言葉を受けて、外部から社長を招聘し、再び会長としてロート製薬を見守ることになります。人と違うことをやれ、この精神は代々の社長が受け継ぎ、それぞれがそれぞれのことで社会貢献、会社の成長に寄与してきました。山田邦雄さんは、それまで誰も手が出さなかった部分に手を出し、会社を大きく成長させており、今後の展開に注目が集まります。