株式会社SUBARU 吉永泰之

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元々は軍用機などを作っていた会社で、その後航空機製造の野望を胸に抱きながら自動車などを製造販売してきたSUBARU。元々は富士重工業という名前でしたが、SUBARUのブランドが浸透したことで会社名もSUBARUとなりました。そのSUBARU代表取締役社長を務め、現在は会長のポジションにいるのが吉永泰之さんです。1954年3月5日生まれ、65歳の吉永泰之さんは東京都の出身です。父親が全国を転々とする、いわゆる転勤族で、人見知りとは無縁の性格になったそうです。学生時代、スキー場などでよく見たスバルに惹かれ、自社製品にこだわりを持っていた富士重工業に就職します。


フォークリフトの免許を取得して工場で部品を運ぶ仕事を行うなどした後は、セールスマンに転身。その後ディーラーの経営指導などを行いますが、吉永さんは何も知らない中で必死に勉強し、最終的には税務申告書を書けるまでに成長します。その後吉永さんは、1999年には営業本部営業企画部長、2001年スバル企画室長、2003年経営企画部長、2005年に執行役員となります。しかし、時を前後してSUBARUブランドは低迷してしまいます。そんな時に出てきたのがアイサイトでした。アイサイトは運転支援システムで、ぶつからないクルマとして売り出したところ、爆発的な人気を集めるようになります。


このアイサイト、20年にもわたって開発されてきたもので、その様子を吉永さんは見ていました。アイサイトの大成功で他の会社にまでこうした運転支援システムは普及していきますが、吉永さんはそのことを自分の手柄にしようとせず、いかにシェアが少ないメーカーでも存在感を出せるのか、その1つの証明として考えているようです。


吉永さんの収入ですが、2018年3月期の役員報酬は1億3300万円なので、年収もそれより多くもらっていることは確実です。ただ、2018年6月に会長になっているため、それ以降減額されている可能性が高いです。吉永さんは自社株としておよそ6万株を保有しており、時価総額で2億円程度の資産があります。1株あたりの配当は144円なので、配当そのものは800万円程度と役員報酬に比べればそれほどではありません。

近年SUBARUは逆風にさらされることが多いですが、一方で日曜になると販売店に訪れる方が多く、客離れはそこまで進んでいません。スバリストになりたくて購入した方が多い分、そのファンをいかに喜ばせられるのか、その挑戦の真っ最中と言えそうです。