日本を代表する芸能事務所であり、現在では綾瀬はるかさんや石原さとみさんなどを輩出するなど日本の芸能界においてかなり影響力を持ち、以前は東証1部に上場もしていた株式会社ホリプロ。その株式会社ホリプロを創業し、現在はファウンダーという立場から会社を支えるのが堀威夫さんです。1932年10月15日生まれ、87歳の堀威夫さんは神奈川県横浜市の出身です。元々バンドをやっていた堀さん、高校時代にはセミプロとしてお金を稼ぎますが、当時はまだバンドで食べていくことに市民権が得られておらず、明治大学に入学。しかし、そこで知り合った同級生もまたバンドをやっており、アメリカ軍などを回ってライブを行い、荒稼ぎをします。就職活動をしようにも何もしてこなかった堀さんはバンドを立ち上げますが、このまま人生が終わっていくのはどうかと感じ、芸能プロダクションを立ち上げます。しかし、内輪もめで追い出されてしまい、仕方なく、自らが代表を務めるプロダクションを設立、それがホリプロです。
堀さんは時に大勝負を打つことがあり、それがホリプロの代名詞となっているタレントスカウトキャラバンです。今でこそ多くの人に注目されるオーディションとなっていますが、まだ会社の売上が10億円程度の時にその10分の1の経費をかけて開催しました。スカウトがメインというよりホリプロの名前を広めるための広告宣伝も兼ねていましたが、第1回では榊原郁恵さんがグランプリに輝きブレークを果たす他、現在でも活躍する有名女優やタレントを多数輩出するなど、本来の目的以上の成果を生み出します。
堀さんのもう1つの偉業は株式上場です。昭和の時代、芸能界に対する認識がかなり悪かったことから、株式上場をすることで健全な経営を行っていることをアピールしなければならないと決意し、1989年に芸能界では初めて株式公開を行い、2002年には東証1部上場、日本経団連への加入も果たしました。現在は経営の自由度を優先して上場を廃止していますが、その株は堀さんの資産管理会社が管理しており、かなりの資産が予想されます。
経費の面ではかなり厳しく、3000円以上の出費は稟議を通さないといけないほどだったホリプロ。それでもいいものにはお金をかけるという精神はタレントスカウトキャラバンでも発揮されています。現在は最高顧問という立場からホリプロを支える堀さんですが、そのイズムは息子たちにもつけ継がれています。