鈴木修 スズキ株式会社

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国内の自動車や二輪車の販売台数はトップクラス、特に軽自動車で存在感を発揮してきたスズキ株式会社。会長の立場で現在も代表取締役を務め、現役なのが鈴木修さんです。1930年1月30日生まれ、既に90歳となった鈴木修さんは岐阜県下呂市の出身です。中央大学法学部を卒業した鈴木修さんは現在の愛知銀行に就職します。その後、スズキの2代目社長の娘婿としてスズキに転職。1963年にはスズキの取締役となり、1967年には常務、1973年には専務となり、社長になったのは1978年、鈴木修さんが48歳の時です。


当時のスズキは自動車の排出ガス規制に関して出遅れがあり、売上が芳しくない時代でした。当時専務だった鈴木修さんはこれを立て直し、社長になってから現在もそのシリーズが人気を集めるアルトの開発、販売を先導します。主に軽自動車に関してブランド力を高め、1993年にはこちらも現在人気のワゴンRを登場させるなど、ロングランの軽自動車を数多く世に送り出しています。海外進出を積極的に行っており、インドなど経済新興国や自動車が国の主幹産業であるアメリカの企業とも提携を行うなど、世界のスズキの名を轟かせます。その一方、後継者として考えていた人物たちが健康問題で次々と断念され、2008年には再び社長に。現在は鈴木修さんの息子を社長に据え、自らは会長に下がりました。


高齢になった今でも、全国にあるスズキの店に足を運んでは、直接現場の声を聞くだけでなく、その店が抱える問題や販売戦略、商品の改良などに取り組んでいます。舌鋒鋭く、現在でも時に刺激的な言葉を使って社内外に奮起を促すなど、90歳となった今でも現役でいられるなど、元気な一面を見せます。2019年の年末、掛川市で行われた軽トラ市には、鈴木修さんも会場を訪れていました。ここまで第一線で働き続ける人はなかなかいません。


鈴木修さんの年収ですが、2018年3月期の役員報酬は2億2000万円でした。90歳になった現在もそれだけの金額をもらっており、同世代でこれだけ稼ぐ人もそういるものではないでしょう。34万株を保有しており、時価総額は15億円ほど、配当は1株75円のため、だいたい2000万円ほどとなっています。創業者でありながら株をそこまで持っているわけではないのが意外でしたが、だからこそ非常にフットワークが軽いのかもしれず、そこまでお金に執着していないことも考えられます。