木下志磨子 京都しまうま堂株式会社

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生花はとても美しく、花束にすると女性にとても喜ばれますが、生きている分、時間が経てば枯れてしまうのが残念な限りです。これを長期間保存できるように加工したものがプリザーブドフラワーで、こちらも女性に人気を集めます。そのプリザーブドフラワーの製造販売を展開しているのが京都しまうま堂株式会社の木下志磨子さんです。子供のころにいじめられた経験を持つ木下志磨子さん、海外に出たいと考え、一度はアメリカへの進学を決めますが、大学と同じエリアで日本人の留学生が殺害される事件が起きたことで流れは変わり、日本の大学へ進学。それでも海外で働きたいと考えるも、時代はバブル崩壊による経済低迷で就職氷河期。やむなく広告代理店で働き出します。


段々と社会に対する期待が諦めに変わる中、好きなことを仕事にしようと考えます。それが花でした。まずはアメリカに渡り、実際に花屋で働き、花屋事情を知ります。その中で、お花に合うワインが花屋に置かれているなど、日本とはまったく違う状況に驚き、それを日本に持ち帰り、プリザーブドフラワー専門店を立ち上げました。アメリカは国土が広いため、実際にお花を贈る際にはプリザーブドフラワーの方が効率的でした。芸術性も高められるため、これなら自分でも勝負になると考え、プリザーブドフラワーを選んだというわけです。


実際に立ち上げてから苦難がいくつかあり、そもそもプリザーブドフラワーを知らない人たちが多く、スタートから躓きます。それでも商品そのものの良さを伝えていくことで、徐々に認知度を高めていくことに成功します。とはいえ、認知度を高めて人気が出ても、今度は自分だけしか社員がいないため、制約が色々と出てきたという問題も。雇う余裕もない中、友人に協力をしてもらいつつ、求人募集をして働いてもらっていたところ、労務トラブルに発展。大きな挫折を味わいます。しかし、そのことが皮肉にも株式会社化につながり、京都しまうま堂株式会社が設立されました。


木下志磨子さんの年収ですが、立ち上がってまだ数年ということもあり、年収自体はそれほど多くはもらっていない可能性が考えられます。ただし、プリザーブドフラワーの需要や認知度は年々高まっており、大きく業績を伸ばすポテンシャルは備わっているはずです。誰もが知るヒット商品や需要の獲得などができるようになれば、その名前はもっと多くの人に届くことになるはずです。