森田香央里アシストマーケティング代表が考える、効果が出ないインターネット広告

電通が発表した2020年日本の広告費という調査では、新型コロナウイルスの影響で前年比の90%程度に落ち着いてしまいました。その一方、インターネット広告に関してはプラス成長を続けており、広告費というカテゴリーでインターネット広告が存在感を見せていることは明らかです。新聞や雑誌、ラジオなどの広告費とインターネット広告費はほぼ同列になっており、今後既存メディアを脅かし、既存メディアの衰退を顕著にさせる可能性も見えてきます。しかし、アシストマーケティング代表を務める森田香央里さんは、効果が出ないインターネット広告もあると警告を発しています。

効果が出ないのは、運用する側の責任

f:id:syacyou:20210514193740j:plain

森田香央里さんは、インターネット広告で効果が出ないのは運営する側の責任であると解説します。効果的にインターネット広告を出していけば間違いなく効果はあり、それによって業績を高めることができます。一方でインターネット広告を出しているのに効果がないとすれば、適切な形で広告を打てていないことを意味します。特に森田香央里さんが苦言を呈する部分は、予算が不足することです。そもそもインターネット広告にどれだけの費用がかかるのかを、広告を運営する側はよくわかっていないのが実情です。

インターネット広告でとても有名なのが、検索結果に表示されるリスティング広告です。このリスティング広告では、1回クリックされるごとにいくらか費用が発生するようになっており、完全成果報酬ならぬ、完全成果費用です。そして、森田香央里さんがポイントに挙げるのが1日に使う予算です。この予算が少ないと早々にクリックされてその後表示されなくなる恐れがあります。例えば、1回のクリックで100円かかるとして、1日1000円の広告費をかけたとします。すると10クリックをされた時点で広告は表示されなくなります。もしクリック単価が高騰して1回200円になれば、5クリックの時点で終了です。当然これでは満足のいく成果は出にくいと考えるのが普通です。

「ターゲット」を絞り込めていない

f:id:syacyou:20210514193813j:plain

森田香央里さんがもう1つ懸念点として挙げるのが、ターゲットの問題です。インターネット広告は、配信エリアを特定することができます。その絞り込みは自治体単位や店からの半径など色々な設定方法があります。インターネット広告の種類によっては都道府県単位になりますが、リスティング広告であれば特定のエリアに住む人だけに絞り込みが行えるというわけです。その地域にはその地域なりの需要、ニーズがあります。近くにコンビニがなければコンビニを求め、飲食店が少なければチェーン店を求めるように、その地域ならではの需要は必ず存在するものです。どこに住む人たちの需要をキャッチしたいのか、そこまでのことを考えて運用をしているのかどうか、今一度考えるべきだと森田香央里さんは考えます。

またサービスを利用する年代もそれぞれのサービスで変わります。例えば20代の人を集めたい場合に、どう考えても20代の人が少なそうな地域に広告を行っても、効果が出ないのは目に見えています。サービスを利用する年代、どの年代の人に利用してほしいのかを設定し、その中で特定の年代が多くいそうな地域をピンポイントで狙うことで、たとえ広告費を多くかけれなくても効果が出ることがあります。

結局自分たちの強みがわかっている人が成功する

f:id:syacyou:20210514193838j:plain

インターネット広告で成功する人、会社は基本的に自分たちの事が分かっていることがほとんどです。強みが全く分からない中で闇雲に広告を打っても当然意味はなく、成果も上がらないでしょう。しかし、自分たちは何を求められているのか、どのエリアの人が求めているのか、何をすれば反応をしてくれるのかなどの研究が進んでいけば、当然クリックはしてもらえます。そして、お金をどんどんかけていけばリアクションはおのずと高まっていくことでしょう。

森田香央里さんは、自社でインターネット広告を打つ際に、リサーチを徹底します。このリサーチは相手側の申し出とは別に行い、相手側の企業が見ていなかった部分を可視化し、より具体的な計画に仕上げていくことができます。そして、お金を惜しまずどんどん広告費を投入することを勧めるのです。広告宣伝費は会社の経費であり、決算時期に税金の兼ね合いもあってこぞって投入するケースがありますが、みんなで決算時期にやれば当然クリック単価も高まりやすくなります。目先のお金を狙いに行き、結果的に失ってしまうのであれば、効果的なタイミングでドカンと入れた方がチャンスは出ると森田香央里さんは力説します。2兆円以上の産業になったインターネット広告の世界、だからこそ、限られた予算をいかに活用するかが問われており、それを実現させるのは運用側の工夫次第なのです。