川尻征司HappyDay社長 飲食店で経験した出来事から気づかされた

川尻征司さんは様々な企業に出向いて人材コンサルティングの仕事を行っています。道中でお昼ご飯を食べることが多く、牛丼屋、ハンバーガーショップなど様々な場所で簡単に食事をとります。いわば安く栄養補給を行いたいのが川尻征司さんの考えであり、多くのビジネスマンはそのように考えるでしょう。そんな中、川尻征司さんが考えさせられる出来事がありました。

ある日、牛丼屋に足を運び、食事をとっていたところ、ホームレスと思われる人物が入店してきました。風呂に相当な期間入っていないと思われ、悪臭を漂わせ、とても食事ができる状態ではありません。しかも、お店側は曖昧な態度に終始し、明らかに不利益を被っているにもかかわらず、責任回避の行動に出ていました。川尻征司さんはたまらず食べかけの牛丼を残し、店を後にしましたが、ああいう状況で店はどんな態度をとるべきだったかを考えることにしました。

出ていけといえばどんなことが待っているか

川尻征司

川尻征司さんを含め店内には複数のお客さんが牛丼やカレーを食べていました。その多くのお客さんは悪臭が充満し、ホームレスが店内の椅子に座ったのを見て半ば怒りに近い挙動を見せながら店を後にしています。この時、店側はホームレスを追い出すことはできたはずです。パチンコ店などではハウスルールが存在し、たとえ常識的な立ち回りをしても店側がアウトだと判断すれば追い出すことができます。この状況でたとえ追い出したとしても店側は不利益を被ることはないはずです。

ところが、店側はこのような態度をとらず、できれば空気を読んでもらって出ていってほしいという姿勢を見せます。万が一ホームレスを追い出した場合、ホームレスを支援する団体などに抗議を受けるのではないかと考えた可能性は否定できません。また店長がおらず、バイトしかいなかった場合、お客さんを追い出す行動はリスキーです。もしバイトが覚悟を決めて追い出し、それで抗議を受けたらかなり面倒なことになるでしょう。判断を仰げば、機会損失が高確率で発生します。1杯の牛丼を売るために顧客を数多く失い、ブランドを傷つける恐れも出てくるはずです。

災害時の対応が難しい?

川尻征司

今回のケースは飲食店でしたが、これが何かしらの災害が発生した場合にはどうなるか。それを考えた時、川尻征司さんは非常に難しい判断を強いられることに気づかされます。例えば大地震が発生し、大勢の地元住民が学校の体育館に詰めかけたとします。その中にホームレスがいて、かなりの悪臭を放っていたとしておそらく多くの住民はホームレスをなんとかしろと苦言を呈するはずです。ところが苦言を呈されたところで結局何の手も打てないのが実情です。

先ほどの飲食店は営利事業で行っており、決して慈善事業ではありません。しかし、避難所は公共性をかなり帯びており、営利事業ではなく追い出す方が問題になります。ただ過去にはホームレスの受け入れを拒んだケースもあります。そのことに対して強い抗議があったのは報道でも明らかにされており、自治体側は謝罪に追い込まれました。ネットを見れば自治体の判断に少なからず賛同もあり、非常に難しい判断であると思わされます。かといってホームレスのみの避難所を設置したらどうなるのか、それも問題になる可能性があるわけで、川尻征司さんはこの問題を何とかするべきだと考えます。

誰かが注意するしかない

川尻征司


ホームレスの現状を川尻征司さんはあまり知りませんが、知り合いのBさんはホームレスになった人と面識があるらしく、ホームレスにはホームレスの流儀があると語っています。そこで出てきたのは、ホームレスになった以上、衛生的な部分で人様に迷惑をかけてはいけないという考えです。そのホームレスは匂いが出ないよう最大限気を付けて、事あるごとに銭湯に入っていたそうです。過去に飲食店を追い出され、警察を呼ばれて強く注意を受けたことがきっかけだったとのこと。

それ以来ホームレスと出会えばそのことを伝え、最大限衛生面に気を付けなければならないと伝えているそうです。誰かがそのように強く注意を行い、警察から注意を受ければ考えが改められる可能性があることを示唆します。

まとめ

川尻征司

悪臭によって飲食店の営業を妨害したとすれば、犯罪である可能性も出てきます。ゆえに警察を呼び、注意を促すのが双方にとって現実的な解決策であり、お客さんからすれば多少なりとも納得するはずです。もちろんある程度我慢できればいいですが、飲食店での悪臭はあまりにも耐えがたく、解決を困難にさせます。あれは大人げなかったかもしれないと川尻征司さんは反省する一方、あの時の正解は何だったのだろうかとついつい考えてしまうようです。