東和浩 りそなホールディングス株式会社 代表取締役社長

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日本には3つのメガバンクが存在しますが、それに次ぐ存在なのがりそな銀行です。現在そのりそな銀行で会長兼社長を務めているのが東和浩さんです。1957年4月25日生まれ、62歳の東和浩さんは福岡県の出身です。鹿児島にある名門校ラ・サール高等学校から上智大学経済学部に進学した東さん。1982年に上智大学を卒業すると、当時の埼玉銀行に入行します。当時は銀行が海外にどんどん進出した時代、東さんも海外で仕事をしたいと銀行業を志望しました。その甲斐もあって、3年目にメキシコ、帰国したら今度はロンドンと思ったようなキャリアを積み重ねます。埼玉銀行は合併を重ね、あさひ銀行りそなホールディングスへ形を変えていきますが、バブル崩壊の流れは銀行にも容赦なく襲い掛かり、経営はどんどん悪化。2003年、公的資金を注入することになり、りそな銀行は実質国有化されます。この国有化のタイミングで東さんは財務部門に配属されます。東さんは現場でその荒波を潜り抜けてきた銀行マンでもあります。


そもそも銀行でありながら頭取ではなく社長ですが、これはりそな銀行が実質国有化され、改革を断行した会長が主導したもので、東さんはその中心人物でした。証券部門で学んだ返済方法を活用して3兆円もあった公的資金を長い時間をかけて完済し、銀行業界では珍しく、サービス度を徹底的に高め、待ち時間を極力ゼロにすること、営業時間を午後5時までにすること、土日でも空いている店舗を設けることなど、様々な改革を行っていきます。これらの働きが評価されて、2013年りそな銀行代表取締役社長に就任します。


東さんが大事にしているのは自己否定の精神で、今までの銀行の在り方を否定し、金融サービスを行っていくことを提案し続けています。そのため、りそな銀行ではスマホでできるものはスマホで、対面でやるべきことは対面でと細かく分散させ、アプリで口座を開設できるなど、さらなる改革を続けます。また、払込票などをスキャンさせて、キャッシュカードと連動させることでそのまま支払いが行えるサービスを始めるなど、利便性を格段に向上させています。


東さんの年収ですが、1人当たり平均3000万円近くとなっており、銀行のトップからするとまだまだ少ない部類に入ります。公的資金が入り、多くの報酬をもらうことは難しかったこともありますが、2015年に完済してからもその傾向は続きます。国有化の後は今までの銀行にはなかった新たな一面を見せる「金融サービスの会社」として成長が期待されます。