古川俊太郎 株式会社任天堂 代表取締役社長

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これまでに創業者一族やカリスマと呼ばれた人物が社長を務めてきた任天堂。現在社長を務めているのが古川俊太郎さんです。

1972年1月10日、現在47歳の古川さんは、東京都の出身です。古川さんの父親はイラストレーターの古川タクさんです。教育方針として、1つでも秀でるものがあればいいというものがあり、古川さんはゲームを選び、ゲームに熱中します。幼いころは決してリーダーになるタイプではなかった古川さん、早稲田大学政治経済学部を卒業すると任天堂に入社します。
しかし、当時の任天堂は採用活動に関する公募を行っていませんでした。それでも古川さんは人事部に手紙を出して募集の有無を聞き、なんと合格してしまいます。入社してからの古川さんは経理を担当していた他、ドイツに約10年滞在するなど、ゲーム開発とは無縁のところにいました。しかし、ドイツ時代には当時のゲーム機「Wii」をヨーロッパでヒットさせたことで注目を集めます。


その後、古川さんは株式会社ポケモン社外取締役に就任するなど、出世街道に入ります。この時には将来的な社長候補と社内で判断されており、若くしてこの世を去った岩田聡元社長が亡くなった2015年7月から経営企画室長に就任すると、翌年には取締役を兼務。本来はもう少し先に行われる予定だった社長交代のタイミングは、Nintendo Switchの大ヒットで前倒しされ、2018年6月、任天堂の社長になりました。前任者の時代からトップである社長の判断だけで会社が動いていく状態を変える動きが出ており、各部門のトップの人たちが一緒に経営を行っていくシステムになっています。その結果、ゲーム開発を一切行ったことがなく、経理一本でやってきた古川さんが社長に就任することができました。


現状の任天堂は、Nintendo Switchの成功を受けて、Nintendo Switchのソフト作り、携帯できるNintendo Switch Liteの発売などに力を入れています。売り上げ目標2000万台やポケモンGoとの連動、ニンテンドーラボの発売など、着実に成果を残しており、最近ではeスポーツにも力を入れるものの、賞金が高額になりやすい大会ではない形で普及を目指します。


任天堂といえばファミリー向けのゲーム機を作る会社でしたが、一時期それが揺らぐ時期がありました。カリスマ社長に左右されることが多かった中、伝統は残しつつ、トップの考えだけで左右されない新たな仕組みを作る、その大役を担ったのが古川さんであり、起業として発展を続けていくには、ここからの頑張りが求められます。