松井道夫 松井証券株式会社 代表取締役社長

f:id:syacyou:20190926045105j:plain

 

 

古い伝統の中で商売が行われてきた証券業界の中で新風を巻き起こしたのが松井証券。その松井証券の社長を務め、革命を起こしてきたのが松井道夫さんです。1953年6月22日生まれ、66歳の松井道夫さんは長野県東筑摩郡波田村、現在の松本市の出身です。父親は国税局に勤務し、生後間もなく東京北区の官舎に住むことになる松井さん、高校時代はシンガーソングライターでおなじみの山下達郎さんとも友人で、当初は東京藝術大学を志望するものの、画家としての生活は大変であると先生に諭され、一橋大学経済学部に入学します。卒業後は日本郵船に入社し、スキルアップに努め、ガムシャラな毎日を過ごすことに。


転機が訪れたのは1986年のこと。実弟の妻から、当時の松井証券社長の長女を紹介されて結婚。務台家だった道夫さんは、松井家の婿養子となります。しかし、当初は松井証券を継ぐつもりはなく、日本郵船への未練もありました。翌年に松井証券に入社し、研修で日興証券に出向し、ロンドンなどで自由な生活を送ることに。1988年には取締役となり、1990年には常務になると、1995年代表取締役社長に就任します。


バブル経済を斜に構えてみていた松井さん、当時から手数料で儲けようとする証券業界に嫌気が差していました。日本郵船時代は厳しい競争の中で仕事をしていたこともあり、自由化に向けた動きを作り、社内から改革を行っていきます。1999年、松井さんが強く推し進めた手数料の自由化、シリコンバレーで感じ取ったITの流れから、ネット証券へ舵を切ります。当時の認識はまだネット証券を軽視しており、1000億円ぐらいしかいかないとされていた市場規模は現在200兆円となるなど、松井さんの社長としての先見性が光っていることは明らかです。また、自由化に伴い、手数料は上がると思われていた中で、松井さんは値下げを断行し、業界は騒然。それでもどこ吹く風だった松井さん、松井証券を大きく成長させました。


松井さんの年収ですが、2018年3月期の役員報酬を見ると1億700万円となっている他、400万株以上の松井証券の株を保有し、1株45円の配当が見込まれることから配当だけで2億円近いものをもらっています。年収にすれば3億円程度が想定されており、かなりの年収であることがうかがえます。しかし、ネット証券への道をいち早く切り開き、証券業界に革命を巻き起こしたことを考慮すれば、これだけの年収でも何ら不思議ではなく、松井さんの偉大さを考えれば自然と言えるでしょう。