ワコール 塚本能交

f:id:syacyou:20191026021400j:plain

 

女性用下着で知られ、女性であれば誰もがその名前を知り、実際に着用したことがあるワコール。そのワコールの持ち株会社、株式会社ワコールホールディングス代表取締役社長を長年務め、最近になって後進に譲り、自らは会長になったのが塚本能交さんです。1948年1月29日生まれ、71歳の塚本能交さんは京都府京都市の出身です。

塚本さんの父親がワコールを創業、幼少期は、下着を販売していたということで、下着屋の息子とからかわれることが多かったようです。ただ、ワコールを継ぐ考えは当初はなく、起業を考えますが、ワコールの当時の副社長に説得され、ワコールに入社。直後に伊藤忠商事に出向し、ナイロンやポリエステルといった化学繊維などの仕事を受け持ちます。

その後ワコールに戻った塚本さんでしたが、若くしてその才能を父親に買われて、10年後に社長を譲ると宣言し、1年ごとに様々な仕事を経験していきます。1987年、約束通り社長の座を譲ってもらい、39歳でワコールの社長となります。その後、塚本さんは様々な事業に手を出しますが失敗に終わり、父親の言葉もあって本業に専念することを決意。自分たちにはないアイデアを持つ企業を傘下に入れながら、拡大を続けていきます。


その後30年以上社長としてワコールを引っ張っていきますが、2018年になり、その座を塚本家ではない人物に譲り、自らは代表取締役会長に退きます。その理由は、ワコールが上場企業であり、創業家だからという理由では譲れないというものでした。会長に退いても院政を敷くケースが見られますが、塚本さんは経営に口は出さないと宣言した他、リーダーが変われば会社はこれほど変わるというのを示してほしいと語っています。


塚本さんの年収ですが、まだ社長時代だった2018年3月期、役員報酬として1億8900万円をもらっています。この額は年ごとに前後しており、業績に応じて変化するような形が予想されます。ワコールの株は28万株保有しており、時価総額的には8億円程度の株式を持っている形です。1株当たりの配当は80円なので、配当だけで2000万円程度をもらっていることになります。これに役員報酬を加味すれば毎年2億円程度の年収が考えられます。後進に道を譲ったことで、今後は社長がメインになり、会長である塚本さんはワコールの行く末を見守る立場になりそうですが、次の世代がどれだけやれるのか、いいアドバイスを塚本さんがどれだけ出せるのか、かなり注目です。