株式会社ジャニーズ事務所 ジャニー喜多川

昭和から平成、そして令和と男性アイドルのジャンルにおいて長くトップに君臨し続けるのが株式会社ジャニーズ事務所。その株式会社ジャニーズ事務所で長く代表取締役社長を務めていたのがジャニー喜多川さんです。1931年10月23日生まれのジャニー喜多川さんはアメリカカリフォルニア州ロサンゼルスの出身です。生まれはアメリカながら、父親は僧侶だったジャニー喜多川さん。両親は揃って日本人の日系2世で、幼くして日本に渡って生活を行います。日本では第二次世界大戦に巻き込まれ、その後、アメリカに戻って高校に入学、アメリカの大学を卒業後、父親が働いていたお寺に美空ひばりさんがやってきて公演を行ったことで、芸能界に興味を持つようになります。

その後、アメリカ大使館の情報員として再来日すると、上智大学に進学して上智大学を卒業、その間にバンドを作って芸能界に足を踏み入れます。ジャニーズ事務所を設立したのは1962年のこと。元々は少年野球チームのコーチをしており、中学生数名を映画館に連れて行った際に見たミュージカル映画に全員が感動し、自らが事業を立ち上げることを決意します。1970年代にはフォーリーブスや郷ひろみを生み出し、1980年代にはシブがき隊や少年隊、たのきんトリオ、バブル期には光GENJI、その後にSMAPなど何年かおきにスターを生み出していくことでジャニーズの求心力を高めていく中で、男性アイドル界のシェアを完全に掌握することに成功します。

ジャニー喜多川さんの名言といえば、ジャニーズのメンバーに対してYOUと呼ぶことであり、ジャニーさんの代名詞にもなっています。これについてジャニーさんは、アメリカでは当たり前のことと理由を述べ、名前を覚えられない時に便利とも語っています。また、後輩のジャニーズのタレントが先輩を君付けで読んだり、ジャニーさんに対してため口だったりしますが、これは敬語が堅苦しいという理由があってのこと。もちろんバカにしているわけではなく、リスペクトがあってのことです。

80歳を過ぎても精力的な活動を続けたジャニーさんでしたが、晩年は体調を崩す機会が多くなり、2019年6月に緊急搬送、解離性脳動脈瘤破裂によって発生したくも膜下出血で入院を余儀なくされ、7月9日87歳でこの世を去ります。ジャニーズのメンバーを集めた家族葬では名だたるタレントが一堂に会し、その別れを惜しみました。お別れの会では一般人だけで約9万人も参列するほど、その存在感は偉大でした。